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『Personal Act Gene』|『がん治療でも注目!免疫療法と腸内フローラとの意外な関係』

PAG『Personal Act Gene』河合です。 PAG『Personal Act Gene』は多様化する日本人の生活習慣病に関するヘルスケアの情報を配信するブログです。今回は「がん治療でも注目!免疫療法と腸内フローラとの意外な関係」について書きます。

「がんの免疫療法」は、いままで本当に効くのかどうか疑問視されてきました。

しかし最近、肺がんに効果を発揮する「免疫チェックポイント阻害剤」が登場したのです。さらに、免疫は「腸内フローラ」と深く関係していることが解明されつつあります。

■免疫療法にはバランスが肝心です

「免疫を上げる」というと、単純に免疫を上げれば健康になれるような、非常に心地良い響きがしますが、免疫は上げればいいというものではありません。

免疫は、ブレーキとアクセル、両方がバランス良く働いて初めて理想的な効果を発揮するものなのです。

アクセルだけをふかして暴走しては、潰瘍性大腸炎クローン病、I型糖尿病など、重大な自己免疫疾患を引き起こす可能性もあります。裏を返せば、さして副作用のない免疫療法には、ほとんど効果が期待できないとも言えます。

たとえば、がんを攻撃するキラーT細胞という免疫細胞があるのですが、これも多ければいいというものではありません。

キラーT細胞もアクセルとブレーキのバランスが肝心です。

暴走してもいけませんし、ブレーキが効きすぎても、キラーT細胞が十分に働かなくなってしまうのです。

最近、「抗PD-1抗体療法」という、キラーT細胞のブレーキが効きすぎるのを抑制する抗体療法が登場して、その治療で約20%の肺がん患者に効果があることがわかりました。

そのため、いままであまり期待されていなかった免疫療法が、にわかに注目を集めています。

抗体療法とは、狙ったがん細胞だけを攻撃して、正常な細胞は温存できる新しい治療法です。

抗がん剤はパッと効いて、その後耐性ができると効果がなくなるのですが、免疫療法は時間の経過とともにはっきり効果が現れてくるというのも大きな違いです。

しかもそれだけではありません。免疫療法の効果は「腸内細菌」と密接に関係する、という論文が発表されたのです。

■がんや生活習慣病にも腸内フローラが影響する

腸内細菌は1,000種類以上あり、トータルで100兆個以上、総重量にしたら1.5~2kgもあります。

これらの腸内細菌が免疫を活性化することは以前からわかっていましたが、免疫療法の効果がこの腸内細菌の集団である「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」に左右されることが、初めて証明されたのです。

(腸内細菌叢は、まるでお花畑のように美しいので、通称「腸内フローラ」とも呼ばれています)

肺がんだけではなく、大腸がんやNASH(ナッシュ)と呼ばれる非アルコール性の肝炎が原因の肝臓がん、糖尿病、生活習慣病、さらには性格にも影響すると考えられ、治療に役立てるような研究が進められています。

具体的には、健康な人の腸内細菌を移植する「便移植」も試みられていて、製剤したものを口から飲んだり、大腸カメラの技術を利用して腸内に菌をばらまいたりしています。

状態の良い便から集めた腸内細菌を保管する「便銀行」のようなものまであるのです。

また、肥満体の人にはファーミキューティスという“デブ菌”と呼ばれる菌が多く、痩せ型の人には“ヤセ菌”と呼ぼれるバクテロイデテスという菌が多いこともわかっていて、その応用についても関心が高まっています。

さまざまな病気に関連する腸内フローラ。しかし、腸細細菌のコンディションを整えれば病気の治療や予防ができるのかというと、実際にはそう簡単ではありません。

善玉菌だと思っていても、それを過剰に摂取すると炎症が起こり、がんやクローン病潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患になる可能性もあります。

多量に摂取すればいいというものではありませんが、乳酸菌のように腸の壁にバリアを作ったり、腸内細菌のエサ、つまりエネルギー源になったりする細菌もあります。

そうした有用な細菌は発酵食品に多く含まれているのですが、実用化に向けて現在、急速に研究開発が進められているところです。

腸内フローラも免疫と同じくバランスが肝心なので、単純に善玉菌を増やして悪玉菌を減らせばいいという問題ではありません。

しかし、免疫に深く関係していることは明らかで、この研究の成果は、がんや生活習慣病をはじめ、さまざまな病気の予防や治療に今後大きな影響を及ぼすと考えられています。

皆さんも気を付けてみてください。

 

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